クラシックの悦楽 願いをかなえる名曲をめぐる旅

青少年のための明るいクラシック学入門

第2章 3 「エア・クラシック」ならいつでもどこでも音楽が聴ける

 これはちょっと中級編なのですが、クラシックをかなり聴きこむと、好きな音楽を好きなときに好きなだけ「頭のなかだけで再生して聴く」ことができるようになります。頭のなかから音楽をダウンロードする感覚ですが、再生までの時間は一秒もかかりません。それを私は、じっさいに楽器を持たなくてもギターを弾く気分を味わえる「エア・ギター」ならぬ、「エア・クラシック」と自分一人で命名しています。

 

 頭のなかだけで音楽を再生できるのは、クラシックに限ったことではありませんが、他のジャンルの曲よりも、クラシックはより頭のなかで再生しやすく、再生したときの心地よさも格段に違うように思います。これは記憶のメカニズムも関係しているのではないかと私は思っています。

 

 記憶というものは、関連する情報と情報とが結びついたもので、その結びつきが強く、セットで憶えられるものほど記憶が定着しやすくなります。一つの旋律を奏でるのにたくさんの音や楽器がもちいられるクラシックは、たがいの音や楽器がおのおの有機的に結びつき、関連しあっているため、記憶としてよりリアルに定着するのかもしれません。

 

 じっさいに音楽を聴きたくても聴けないようなとき、仕事の合間や、ちょっとした空き時間などにこのエア・クラシックができるようになると、いつでもどこでも好きなだけ音楽が聴けるようになります。