クラシックの悦楽 願いをかなえる名曲をめぐる旅

青少年のための明るいクラシック学入門

第1章 5 クラシックは高級ではなく一流である

 そんなこんなで、クラシック音楽は「知的階級の趣味」、「高級なもの」というイメージが次々にくっついていきました。しかし曲がつくられた背景や、作曲家について深く知れば知るほど、その作品の美しさはもちろん、人間の尊厳や気高さとともに、あくなき欲とか美への執着、けがらわしさ、俗っぽさ、哀れさ、醜さのようなものが見えてきます。それにつれてクラシック音楽というものが、お金さえ出せば手に入る高級ブランド品ではなく、聴く人にそれを理解するだけの人間的な深さを求めてくる、つまり作品のほうで鑑賞する人を選ぶ、超一流の芸術であることがわかってきます。


 クラシックはけっして高級なものではありません。演奏会にTシャツとジーパン、ビーチサンダルで行っても別に問題はないのです。でもせっかく行くのなら、一流の作曲家、指揮者、そしてオーケストラと対峙する心地よい緊張と敬意をもって、ちょっとドレスアップして、時空を超えて現実を忘れさせてくれるとびきり贅沢なひとときに身をゆだね、愉しむことです。


 このブログではこれから、クラシックをより愉しむための具体的な方法について、詳しくお話していきますが、その前にクラシックを好きになるとこんないいことがあるというのを、みなさんに紹介しましょう。